中尾 哲彰
TETSUAKI NAKAO
陶芸家
銀河釉の焼物
複雑な色の変化の中に、無数の星が輝いているように見えますが、これは金属の結晶が輝いているものです。釉薬の中に含まれている様々な金属元素が、1200度〜1250度という高温で焼成され、窯の中で結晶化していくのです。
その結晶を美しく折り出させる為には科学的な知識だけでなく、自然の変化を読み調整する技が必要です。その難しさを乗り越えて生まれる、品格ある深い輝きは唯一無二の銀河のようです。
美しく結晶化した銀河釉の焼物は「窯変結晶釉」という性格上、全く同じ色合いのものは、この世に存在しないのです。
PROFILE
1952 佐賀県生まれ 慶応義塾大学文学部哲学科中退
1981 日本現代工芸美術家協会九州会に参加し陶芸に志す
1982 日本現代工芸美術展初出品にて入選
日本美術展覧会(日展)初出品にて入選
1992 北京中央工芸美術学院研究室収蔵
杭州南宗官窯博物館収蔵
1994 デンバー美術館収蔵
1999 日蘭交流400周年記念「日本の美術展」
アートユニオンオランダ賞
2001 A.M.S.Cスペイン芸術賞
2003 フランス・パリ・美の革命展INルーブル
グランプリ「プリ・デ・リオン」
特別賞「トリコロール芸術平和賞」
フィレンツェ栄光のネオ・ルネサンス展
「コスタンツァ・デ・メディチ芸術褒賞」
2007 モスクワ国際芸術博覧会
ロシア国立芸術アカデミー審議会賞
2008 ロンドン・クイーンヴィクトリアギャラリーにて海外初個展
Bonhams「International Contemporary Ceramics」に出品
2010 タイ王室ソムサワリ王女芸術賜杯
福岡市美術館にて「中尾哲彰作陶展」開催
2011 Christie’s「Japanese Art & Design Including Arts of the Samurai」に出品 2012 Christie’s「The Japanese Aesthetic」に出品
2013 Christie’s「ASOBI」に出品
銀河釉の世界へ
数千年前の古代オリエント以来、ひとは、夜空の星が人間の運命や未来を予測すると考えてきました。
十数年に及ぶ研究の中で、宇宙空間に拡がる無数の星たちを思い起こさせる釉薬が生まれた時、私はこれを「銀河釉」と名付けました。
私は「銀河釉」に拡がる無数の星たちに「愛」と「自由」への想いを未来につなぐ夢を託しています。
そして、あらゆる状況が逼迫し混迷する今、
「銀河釉」が、このような時代に差す未来への一条の光となるように願っています。